乳がんの発症率(女性がんの1位)は増加しています。女性の一生涯のうちに8人に1人が乳がんになります。一方乳がんは早期発見では死なない(女性がん死亡率の5位)がんでもあります。
それに伴い乳がん検診を受診される女性も増えてきていますが、検診の検査方法で発見率に差があることを知らない方も多く、自分の乳腺状態に合ったがん検診を選択すべきであります。
マンモグラフィ検査では、しこり(がんなど)は白く映りますが、正常な乳腺も白く映ります。
マンモグラフィでは乳腺量の状態で、高濃度・不均一高濃度・乳腺散在・脂肪性と4つに分類し読影しますが、白く映る高濃度や不均一高濃度の高濃度乳房(デンスブレスト)では、しこりを見落としやすいのです。
つまり乳腺もがんも白く写るため、高濃度乳房だと異常が見つけにくい弱点があるのです。
参考ホームページ
Are You Dense?
http://bcin.jp/areyoudense.html
また、アジア人女性の約5割~8割がマンモグラフィでは異常が見えにくい「高濃度乳房」であることが指摘されており、「高濃度乳房」の検診受診者に対して「異常なし」と通知されているケースが多いことがわかっています。
当クリニックでは、マンモグラフィで高濃度乳腺の方には、同時に乳腺超音波検査(エコー)を受けて頂くよう積極的に案内し、結果に信頼と安心のできる検診を受けて頂くよう提案させて頂いております。
自分の今の乳房がマンモグラフィか超音波検査かどちらに向いているのかを知っておいて下さい。
以下は当院が検診受診者に検査後にお渡ししている結果表の内容です。
【乳房検査・結果通知書についてのお知らせ】
当クリニックでは、乳癌の早期発見や乳癌死減少をめざして一歩進んだテイラーメイドな乳がん検診をご提案しております。
真の意義ある乳がん検診でなければ検査を受けた意味がなくがんを見逃してしまう恐れがあります。現状の画一的な検査ではなく、「今のあなたの乳腺状態」に合わせた最善の乳がん検診をおすすめ致しております。つきましては、今回の検査結果を基に、次回受診して頂く乳房検査方法について、当クリニックがおすすめする検査方法を検査結果と同時に付記させて頂きます。次回の乳房検査の参考にして頂ければ幸いです。
【次回検査推奨項目】
次回の乳房検査は
◎ マンモグラフィと超音波検査 の併用
◎ 超音波検査 単独
◎ マンモグラフィ 単独
をおすすめ致します
次回検査時期 ・1~2年後 ・1年後 ・6か月後 ・3か月後
【追加参考検査所見】
マンモグラフィ 乳腺濃度が高い(濃く白い)
乳腺内に左右差あり
石灰化あり;右・左・両側
腫瘤像あり;右・左・両側
その他の所見
超音波検査 のう胞 (のうほう) 右・左・両側
乳腺繊維腺腫 (せんいせんしゅ) 右・左・両側
低濃度エリア 右・左・両側
その他の所見